虫の話が出てくるので、苦手な人はお気をつけくださいね。
こちらの本を読みました。
『頭の良さと強い心が育つ すごい虫育児』作者:竹澤夏央
ダンゴムシも触れないことと親の影響
虫の本を探して読んでみたきっかけは、家のマンションの入口に、
ダンゴムシがひっくり返っていたこと。
うちの子たち、しゃがみこんで、
「じたばたしてるけど、自分でひっくりかえれないみたい」と。
何とか戻してあげたいみたいなのですが、ふたりとも、ちょっと怖くて触れないみたい。
持っていたボールペンの先でちょんちょんやって、そしたら丸まって、うまくひっくりかえるかな?と思ったけどやっぱり裏返った状態で広がっちゃってジタジタ…
ひょいと持ち上げて、外の土のところにでも出してあげればうまく戻れるのかもしれませんが…
私も子どもたちも、こんなちっこい、なんの害もない虫も触れないとは。
それに、分かっているのです。
私が
ダンゴムシ触れないから、子どもたちも触れないのです。
ほとんどの人は蚊は手でたたけますよね。
血を吸われてるのに気づいたり、周りを飛んでいたら、私ももちろん手でたたきます。
それを見て、子どもたちも同じようにします。
あと、たまに、家にちっちゃい飛ぶ虫、コバエというのかな? が迷い込んでくることがあって、最初は私も「ひいーっ」と逃げの姿勢になっていたのですが。
子どもや自分のごはんのところにとまろうとするので、このままではいかんと思い、だんだん、
ティッシュを持って追い払い、さらには、何年かを経て、今では手で「えいやーっダンっ」とテーブルに止まっているときなどを狙い、圧死させることができるようになりました。
そうすると、それを見ていたうちの子たち、虫に一番ギャーギャー騒ぐ長女でさえも、飛んでいるのを見つけると、止まるのを見計らって、同じように手で「ダンっ」とやるんですよね。
ほとんどの場合は逃げられるのですが、たまに成功して、そうすると、「やった!」とか言って、冷静に手を洗いに行ったり。
でも、私が
ダンゴムシを触れないと、子どもたちも触れない。
やっぱり親とか環境の影響ってすごいんだなって、改めて思うわけです。
蚊とかコバエとか、対峙しないとしょうがない虫以外の虫に関しては、今まで考えないようにしていたと言いますか。
ちょうちょが飛んでるねえ。とか、
セミが鳴いてるねえ。とか。
夏の終わりには、道に
セミが転がっているのを見て、
セミが死んじゃってるねえとか。
一応、季節ごとに子どもと話したりするのですが、昆虫採集などしたこともなく。
幼稚園でも、子どものお友だちに虫大好きな子もいなかったので、長女も次女も、親の影響を受け、虫がいたら、ちょっと距離を置く、といった感じになっていました。
だけど、
ダンゴムシの件があって、思い返してみたのですが、私でも、小学校の時は、虫さわれました。
テントウムシの幼虫とか友達と探しに行っていたのを覚えてるし、バッタや
セミを持ったときの硬い感じとか、足やはねが動くのが手に伝わる感じとか、足の先のギザギザが服に引っかかる感じとか、感覚として覚えています。
バッタとかかまきりとか、外側は固いんだけど、おなかのあたりのやわらかくてちょっと頼りない感じとか。
強そうなんだけど、間違えて踏んでしまったりすると、あっけなくつぶれてしまう感じとか。
子どもたちがそういうのを全然知らないままでいいのかな、と思ってしまいました。
小学校の低学年くらいまでなら、まだ親が一緒にそういう虫の感覚を体験をさせられるかなと思って。
この夏、挑戦してみようと思ったわけです。
虫取りに行ってみた
まず、100均で虫取りあみと虫かごを2つずつ買いました。
子どもたちは、なんだか喜んで、虫取りあみを松葉づえみたいにして遊んだり(同級生で足を骨折した子がいるらしい)、虫かごに小さいぬいぐるみをたくさん詰めて楽しそうに遊んでました。
虫取りに行くぞ、と思いつつ、私も苦手なものは苦手、怖いものは怖いので、無理せず少しずつやっていくつもりでいました。
虫取り① デビュー 次女とふたりで
うちでは、長女も次女も、月に一回は、小学校と幼稚園を理由を問わず休んでいいことにしています。
長女は、5月と6月は、苦手な給食の日に休みました。
次女は、5月は長女と同じ日に「お姉ちゃんが休むなら休みたい」と休み、6月は権利行使せず、休まず行きました。
7月、次女は、幼稚園でプールの時間がある日に、「教室でほかの子と一緒に着替えるのがイヤ」と幼稚園を休みました。
ならばということで、お天気もいいし、いざ虫取りに。
子どもたちは、網とかごを買ったときから、
NHKのEテレ「カマキリ先生」の蝶の回を見て予習していました。
カマキリ先生が熱量高く、虫のすごさ、虫が与えてくれる感動を語ってくれます。
次女とふたり、家の近くの遊歩道を歩いてみます。
気にして見てみると、いました、蝶!
小さい小さい蝶が、ひらひら、というより、チラチラチラチラといった感じで飛んでます。
セミもわんわん鳴いてます。
セミは怖いので、まずは蝶から。
次女、蝶を見つけると、
香川照之さんのおかげか、捕まえる気満々で追いかけます。
おお、頼もしい。
ふたりで、あっちだこっちだ、ああ逃げた、また来た、などと言いながら、親指の先ほどの小さい蝶を網に入れることができました。
かごに入れるときに一度逃げられましたが、再度捕まえて、記念すべき最初の蝶をかごに入れることができました。
かごに入れると、かごの中で止まってくれるので、よく観察できます。
小さいのにすごく精密な羽の模様とか、線みたいに細い足とか。
ああ、すごい。ちょっと楽しい。
次女も、かごの蝶をじっと見て満足そう。
さあ次行こうか、と網を持とうとすると、網にちっちゃい茶色い虫がしがみついています。
これまでだったら、ちいさい地味なよく分からない虫に遭遇したら、「ぎゃあっ」て感じなのですが、私の中の虫に対する怖い度が少し下がったのか、次女に「何の虫だろうね」と言って、少し観察。
次女は、サッと手を出して小さい手で小さい虫をつまみ、網から取ろうとしました。
あら、あなたそういうのいけるのね!とびっくり。
でも、虫はすごくしっかり網にしがみついていて、次女がひっぱっても取れません。
「これ取れないー」とかって言って、何度かつまみ直しています。
すっごいなぁ。
私と長女が虫に手を出さないから次女も手を出さないだけで(次女はすごく周りの様子をよく観察するのです)、実は、次女は虫が平気なのか、もしくは、どちらかというと興味がある方なのかもしれません。
その後は、
セミもバッタも取れそうでしたが、私がビビって、この日は蝶だけにしました。
さっきの小さい茶色い虫は、いつの間にか網からいなくなっていました。
遊歩道を進んだところでもう一匹、さっきのより少し大きめの黄色い蝶を捕まえて、かごに入れました。
次女は、カマキリ先生に教わったとおり、手をチョキにして、蝶のはねを指で挟んでかごに入れることができました。4歳、めっちゃ素直です。
虫かご2つを右左に下げて、満足そうに家に帰りました。
長女が小学校から帰ってきて、かごに入った蝶を見せました。
家にあったけど今までほとんど見たことがなかった昆虫の本を持ってきて、一緒に蝶の模様を見ます。
観察したあと、逃がしてあげようか、と言うと、「今日は一日一緒にいて、明日の朝逃がすから」という返事。
時々虫かごをのぞいては、「あれ?どこだ?」とか「飛んだ!」とか「やっぱり
モンキチョウじゃなくてキチョウかな?」とか。
何となく、ペットのような気さえしてきます。
次の日の朝。
かごを見ると…
黄色い蝶が死んでしまっていました。
羽が少し傷ついています。
それが原因かどうかわかりませんが、すごく申し訳ない気持ちに。
小さい方の蝶を逃がして、黄色い蝶を駐車場の隅の土のところにみんなで埋めに行って「
南無阿弥陀仏」と唱えました。
次女は、動かない蝶をチョキで挟んで土に移してくれました。
私は、次に蝶を家に連れて帰ってきたときにはねを傷つけないように、洗濯ネットとワイヤーで蝶のお部屋を作りました。
虫取り② 長女とふたりで
数日後、長女も「おなかが痛い」と言って、小学校を休みました。
元気なんですけどね。
ということで、長女と二人で虫取りに。
長女、HSPのなせるわざか、「網が持ちにくい。かごも持ちにくい。網持ってたら歩きにくい。通りのエアコンの室外機から変なにおいがする。」とあれこれ不満を述べながらも進んでいきます。
遊歩道の途中で、次女の時と同じ小さい小さい蝶(たぶん
ヤマトシジミ)と遭遇。
長女、「どうすればいいの⁉」と言いながら、一応追いかけてます。
カマキリ先生で見たとおり、網をひゅんひゅん振り回します。
小学1年生もとても素直。
なんとか捕まえることができました。網からかごに移すときに、「触ってみる?」と聞きましたが、触るのは怖い。
私がかごに入れて、かごを渡しました。
かごを持って立ち上がった長女、「きゃああ」「かごの中で蝶が飛んで、なんかブルブルするから怖い」と言いまして、私が持つことになりました(^^;
遊歩道の先の公園で、同じくらい小さい蝶を一匹とりました。
かごに入れてみると、大きさは同じくらいだけど、模様が違う!
長女、「きれい! !」と大喜び。
そして、これも母が持つ。
家へ帰る途中、低めの木の葉っぱに、
セミの抜け殻を見つけました。
抜け殻も苦手ですが、よく見るとその木には10個くらい抜け殻が。
「見て見て、すごいよ」と言うと、長女、「きもいー」とか言いながら、数を数えています。
私、そのうちの一つを勇気を出して持ってみました。
私がつかんで引っ張ると、これがすごくしっかり葉っぱにしがみついています。
長女にも「全然、はなれないよ」と言うと、長女、手を出してつかみました!
少し引っ張ってみて、すごくしっかり葉っぱにしがみついているのを感じたよう。
家に戻って、昆虫の本で蝶の模様を見比べます。
黄色い蝶はもしかしたらおなかがすいて死んでしまったかもしれないので、今回はなにかエサをあげることに。
ネットで調べて、蜂蜜を10倍に薄めたものをコットンにしみこませてあげてみます。
蝶は、エサをニオイなどでは分からなくて、前足にエサを感じる場所があるそう。
用意していた蝶のお部屋に移し、警戒されながらも、蜂蜜液をしみこませたコットンを前足にちょんちょん当ててみます。
すると…飲んだ―!!
ストローみたいな口を伸ばして、飲んでいます。
完全にかわいい。
一方、
ベニシジミの方は少しコットンのそばにいるけど、すぐに違うところへ。
種類によって好みが違うのか、それともこの2匹の個性なのか?
次の日の朝、今度は2匹とも無事に朝を迎えて、無事に自然に戻すことができました。
蝶がいないと、なんだかちょっとさみしい感じに。
ペット気分ですね。
まとめ
哺乳類や爬虫類のペットは、お世話が大変になったからといって、そこらへんに逃がすわけにいきませんが、虫は、観察し終わったら逃がせばいい。
できるだけ死なせないようにしたいけど、虫の命は元から短くて、死んでしまうこともある。
虫育児の本の中に、「虫を通じて『死』を学べる」ということが書かれているところがありました。
虫は生物の中で唯一、許可なく罰なく自分の手で殺すことができる生物です。
「殺す」とはどいうことか。「死ぬ」とはどういうことか、実際に知る経験ができるのは虫が相手のときだけです。
蚊なんかは、手で叩いて死なせても埋めたりしないのに(「
南無阿弥陀仏」は言ったりしてるかも)、蝶は埋めるとか、勝手だなと思ったり。
虫から、死ぬって、死なせるってどういうことか教えてもらっている途中です。
それから、虫のかわいさとか、その体のつくりのすごさとか、少しずつ虫を見る目が変わってきています。
虫のことを気にかけるようになると、木や草を見るときも、なにかいるかな?と思って見るので、今まで何も思わず通り過ぎていた道がなんだか新鮮です。
セミやバッタを触れるところまでいけるかどうかは分かりませんが、虫と親しむことを少しずつやってみたいと思います。
お読みいただきありがとうございました(*^^*)
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