娘はHSC~親ができそうなことをやってみた~

長女はほぼ間違いなくHSC(とても敏感な子)。次女もおそらく。夫と私はHSPです。うちでの試行錯誤を書いていこうと思います。

7月ちきりんさんと木下斉さんのYouTube対談「社会保障①」メモ

月1回行われているちきりんさんと木下斉さんのYouTube対談。

今月も聞くことができたので、メモにまとめておきます。

 

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導入

あらゆる人に関わることなのに学校で教えてもらわない
税金については公民の授業などで聞いたことがあると思うが、社会保障については教えてもらっていないのでは。
 
社会保障、実は多岐にわたる保障が用意されている。
が、それを知らないで恩恵を受けられていない人がいる。
(高額療養費制度を知らないで、全部自分で払っていた人がいる。病院も教える義務はない。
家族や自分が病気になったときに、レシートをとっておいて申請する、などの手続きはかなり負担が大きい)
申請主義なので、申請しないと保障を受けられない。
 

社会保障とは何か

公的年金(老齢年金)、健康保険(医療保険)、雇用保険(失業保険)、介護保険
障害年金生活保護、ひとり親への支援 など
多岐にわたる保障が用意されている。
制度も変わるので、それを把握するのはプロでもかなり困難なのではないか。
 
社会保障のうち、財源として税金とは別に保険料を徴収しているものもあれば、税金から政府が予算を割り当てているものもある。
金保険料、健康保険料、雇用保険料、介護保険料は保険料としてほぼ全員が徴収される (雇用保険は自営業の人は対象外)
障害年金生活保護のお金は保険料として徴収されてない(税金から割り当てられている)
 
社会保険料の負担かなり大きい(税金に匹敵する額ぐらい給料から天引きされる)。
平成の時代にかなり負担が上がった。
給与が上がっても、社会保険料の負担も上がるので、手取りが増えない原因になっている。
 

なぜ社会保障の負担が増えているか

制度がまずいというより、寿命がのびたことが負担増の原因では。
公的年金は、死ぬまでもらえる。
人々の寿命がのびた分、負担も増える。
生活費だけではなく、死ぬ前10年くらい、医療サービスの利用も増えるので、社会保障に必要なお金が膨大になっている。
 
原因
①人口構成の変化(少子高齢化
②寿命が長くなり、医療サービスを受ける期間が延びたこと
③医療の高度化により医療の単価も高くなっていること
 
今後これが変わるのか
①人口構成・・・変わらないだろう
②寿命が短くなるか、健康寿命が延びるか・・・寿命は短くならない、健康寿命は少しは延びるかもしれないが、10年ということはないだろう
③医療の単価・・・むしろ高くなるのでは
 
社会保障費の総額は減らせるのか
薬局で買える薬を増やす、ジェネリック薬を使うように推進。すでに厚労省がやっている。
総額は大幅には減らないだろう。
 
では、負担割合を変えられるか。誰が負担すべきか。
今は、所得のある人が負担している。
何千万円持っているが、働いていないので所得がない人・・・住民税非課税世帯になれる。
何の負担もいらない、給付はたくさん受けられる。
 
以前は、老人はたくわえを持っていないという前提。
現役世代の方が豊かで、引退した世代の人たちを養うという発想。
今は、景気がよかった時代にかなりの蓄財をして、もう働いていないため所得がないという人がかなりいる。
その人たちの負担を今の若い人たちがしている。
世代間の不公平感につながっている。
 
今の日本は、お金持ちに有利でお金を持っていない人に厳しい社会。
 
年金は、多く稼いでいた人が多くもらえる。それってただの積立貯金では?
多く稼いでいた人はそれだけ蓄財もしているはず。それに加えて年金も多くもらえる。
稼げなかった人は蓄えも少ない。もらえる年金も少ない。
困っている人を助ける制度ではなく、豊かな人がより豊かになる制度に見えてしまう。
持っている人から持っていない人への移転を行うという社会保障にはなっていない。
 
積立貯金に国がお金を突っ込んでいることこの制度自体がおかしい。
社会保障とは、持っている人から持っていない人への移転。
 
持っている人の捕捉の仕方が今まちがってるんじゃない?
資産ではなく所得でとらえている。
資産があるから、働かずに悠々自適で暮らしている困っていない人が保障を受けられる側に回っている。
自転車操業的に働いて暮らしている人は、所得があるので、取られるばかりで、もらえる方になれない。
 
公的な保障が受けられるかどうかわからないという意識が今お金を使わないという気持ちにさせている。
若者も将来のためにお金を使わない、高齢者もお金を使わない(100歳まで生きるとなったら、70代の人でもあと30年)、日本全体でお金を使わないことになってしまっている。
 

公的年金は長生き保険

公的年金は、長生き保険(呼び方をそう変えた方がいい)。
今もらっている世代が得で、若者が損だというものではない。
世代にかかわらず、長生きすればするほど恩恵にあずかれる。
 
民間の保険は払ってもらえる期間が決まっている(65歳から10年間とか)。
公的年金は生きている限り支払われる。
つまり、長生きする人が一番恩恵を受けられる。
今の若者は、今の高齢者より長生きする可能性が高い(医療の進歩などもあって)。
だから、公的年金に入らないで民間保険でなんとかする、なんて考えない方がいい。
公的年金は、どんな民間の保険より有利な制度。
 
国が破綻するかもしれなくて払ってもらえなくなるかもしれないから民間保険で、という話をする人もいるが、日本の国が破綻した段階で民間も無事なわけがない。
 

ベーシックインカム制度について

いいアイデアかもしれないが、導入には今の役所を統合してシンプルにすることになる。
今の公務員の仕事をなくしてシンプルにすることができるか。できないよね。
 

貧困対策について

都市部に関しては、住宅費の負担が大きい
空き家を家がないことで困っている人に供与することはできないのか。
プラス、超都市部を離れて、物価の安い地方都市に行ってもらう。
 

人生100年時代になったとき、いつまで働けるのか

人生が50年のときの20代と人生が100年の時の20代、将来に対する考え方がかなり違う。
70代になってどういう働き方ができるか。
若いころのようには到底働けない。
やはり社会保障がないと、100年生き抜いていけない。
社会保障がある前提でみんな考えているんだろう。
 
公的年金が不要だと言っている人の気持ちとしては、今の負担がかなりつらいんだろう。
今後、社会保障の負担はますます重くなるだろう。
現役世代の負担感をどうしていくか。
 
所得がなくても資産を持っている人に負担を求めるか、だれが負担するか、政治的な決断も難しいだろう。
 
担い手を増やすためには、移民を入れるしかない。
社会保障の担い手、社会自体の担い手。
労働力は欲しいが、彼らに権利を与えるつもりはない。
気の利いた奴隷がほしいというようなもの。
 
今までは、若者や女性は安い賃金でこきつかってもよいという感じだった→若者や女性が使えなくなると、技能実習生などに。
ほかの国が経済成長しているから、そのうち条件の悪い日本には海外の人も来なくなる。
すでに、日本では条件が厳しいから、介護の人材も来なくなっている。
収穫の技術を身につけた人が成果物を持って逃げてしまったり。
日本は、彼らをコミュニティの一員として受け入れ、定住する人を育てていかなければいけないはず。
 

FIRE(投資でお金を儲けて早期引退しようという考え)について

新しい質素倹約か。
働きたくない、そこまで贅沢もしない。エネルギーレベルの低い方向。
すごく楽しい人生とか、イチかバチかやってみる、という考えではなく、がんばって上に行くのではなく、見通しの立つ中で、最低限楽しくやっていきましょうという考えか。
40代でリタイアして、あと60年何をするのかな。
今の若い人たちが将来に希望をもてなくなっている、働くことに充実感や楽しさを感じられなくなっているあらわれなのかな。
 

最低賃金について

東京だけ高いので、技能実習生が地方から逃げ出して東京に出てくるという動きが出ている。
地方の最低賃金を上げるのに反対しているのは地方の人。
上げるとやっていけない、という主張。
だが、今の最低賃金さえ把握していない(昔のだいたいの記憶でもっと安い賃金を払い続けている)雇用主がいる。(木下さん談、ちきりんさんびっくり)
 

65歳くらいでいくらぐらい蓄えがあればいい?

固定費によるかな。住居費とか車がいるかとか。
毎月(家に必要なお金+10万円+医療費)ぐらいか。
年金でもらえるお金を考えたら、以前問題になった「老後2000万円必要」というのは、ざっくり当たっているのではないか。
 

国による年金の運用

日本は沈みゆく国なんだから、ちゃんと海外ののびているところに投資しておかないと。
今インデックスでちゃんとできてるから大丈夫。
1年単位で上がった下がったと騒がない。
 

国民年金の第3号被保険者制度

いかに103万円130万円の壁を超えないかという縮小精神になってしまう。
最低賃金が上がると働ける時間が少なくなるので、人手不足にもなる。
 
どうやって効率的にお金を稼ぐかとか、勉強して資格を取ってもっと時間給を上げるには、などという気持ちをなくしてしまう。
短い時間で同じだけ働いて同じ稼ぎを得て、それで余裕ができた時間を家族と過ごしたり、自分の時間に充てるといった気持ちが育たない。
女性の精神にすごく悪い影響を与える。
自分で稼いで自分で年金増やす、という観点が抜け落ちている。
 
扶養の壁を超えると損をするということばかり言って、将来のメリットを何も言わないファイナンシャルプランナーの罪は大きい。
政府(自民党)は専業主婦でこの制度の恩恵を受けている層が選挙でかなりの重要度を占めるので、この制度をなくせない。
スーパーなど雇用側も雇用保険料を半分負担することになるので、雇用側も嫌がる。
 
働く人にとって長期的にどういう制度がよくて、また、それが日本の労働環境にとってもプラスになるにはどういう制度がいいかという視点が抜けている。
 

国民年金の保険料

年収によらず一律の保険料。
以前は働いていない人が対象だったのかもしれないが、今はフリーランスの人が多い。
現状の働き方にマッチしていない。
 

総括

国の社会保障の制度は、正解があるわけではない。
また、過去の制度からの連続性も必要とされるので、一から作るのとは別の難しさがある。
制度を変えるのにも長い時間をかけないといけない。
 
将来長生きすることへの不安は、公的年金に入っておくことが一番の対策。
不安をあおって貯金をさせたり保険を買わせたりするビジネスに乗っからない方がいい。
 
年金制度が始まって以来、年金だけで衣食住まかなっていたという世代はない。
以前は子ども世帯と同居して、子どもの稼ぎで生活していた。
年金はおこづかいのような扱いだった。
今は子ども世帯と同居することはほぼなく、衣食住をまかなう必要が出てきている。
政府のやり方がまずいから年金で生活していけない、ということではなく、生活様式の変化があった。
それは人々が望んだ生活スタイルの選択だった。
昔は年金が潤沢に払われていて今は払われていない、という話ではない。
これからこの生活スタイルと年金でどう暮らしていくかという話。
 
年金は、高齢者へのベーシックインカム
基本的に全員がもらえて、それだけでは食べていけないけど、それだけしかない人もいる。
ベーシックインカムを導入しても貧富の差はなくならない。
 
日本は年収の限界が低い。
1000万円から2000万円くらいで頭打ちになる。
生産性を上げて稼ごうというインセンティブが働かなくなる。
年収が上がると、税金だけとられて給付はなくなり、稼いだだけ豊かになる気がしない。
このへんの制度を変えていった方がいい。
 
公的年金は長生き保険だから、そこは安心して大丈夫。
でも、年金だけで生活はできないので、自分でどう生活を保っていくか考えよう。
マイナンバー制度を普及させて資産の捕捉をし、お金持ちに社会保障を手厚くしている現状を是正すべき。
金融取引だけでなく、今ある銀行口座、家を買うなどの資産取引も紐づけする。
 
一生扶養の中で生きるというような縮こまり思想を変えよう。
歳をとっていったときに、どうやったら負担があまりかからず働き続けられるか模索しよう。(ちきりんさんのVoicyは老後に向けた働き方対策。)
 

配信を聞いて

公的年金は長生き保険、というのに納得。

若いころに民間の個人年金に入りましたが、結婚して保険を見直していたときに、「10年しかもらえないんだ!」とびっくりした記憶があります。

公的年金は死ぬまでもらえるから、その部分は安心できますね。

 

・制度は人の気持ちにすごく影響を与えるんだなというのを改めて思いました。

年金制度への不信感からお金を使わない風潮になってしまったり、

扶養に入れるかどうかで働き方や意欲を変えてしまったり。

でも、制度を変えるには、複雑な事情があったりして長い時間がかかる。

自分が長期的にどうしていきたいか、気づいた人から自分の気持ちを変えていくしかないですね。

 

人生100年時代の働き方。

ちきりんさんはVoicyで声を使うことを始められています。

勝間和代さんも、音声入力で原稿を書くことでかなり楽にたくさん書けるようになったという話をされています。

声を使う、私も真似してどんどんやっていきたいと思いました。

 

お読みいただきありがとうございました(*^^*)