世界は一つの教室
野本響子さんの本の参考文献にあった本を読みました。
世界はひとつの教室「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション 作者:サルマン・カーン
この本を読むまで、「学校は能力別クラスがいい。教科ごとに自分に合った進み具合のクラスに行って授業を受けるのがいい」と思っていました。
それと、先生1人に対する子供の数は少ない方がいいと。
でも、このサルマン・カーンさんがつくったカーンアカデミーを代表としたオンデマンド学習教材を使えば、能力別クラスに分ける必要もなく、皆が同じ教室にいながら、自分に合った進み具合の授業を受けられるといいます。
学校で講義を聞き、家で宿題で練習問題をする今の方式から、家で(家である必要もなく、好きなところで)講義のビデオを見て、学校で先生や友だちがいるところで問題を解く方式へチェンジする。
そうすれば、生徒は分からない問題を家でうんうん悩むことなく、学校で先生の助けを借りながら問題に取り組める。
分かっていないときって、どこが分からないのかさえ分からないことがありますもんね。だから、ビデオだけでなく、誰かが助けてくれることが必要。
先生は、黒板に毎年同じことをカリカリ書く時間をなくし、助けを必要としている生徒を助けることができる。
生徒も、学校にいる間、静かに座って受け身で講義を聞き、ノートにカリカリ写す時間をなくし、自分の分からなかったことを先生や友達と一緒に解決し、分かっているところは友達に手を貸して学び合う。
私はそっちの方がいいなあと思いました。
本には、「皮肉なことだが、テクノロジーを使うことで、教室に人間的なコミュニケーションが回復する」というような表現が使われていました。
テクノロジーって人間性を奪っていくもの、のようなイメージがありますが、今までしかたなく人がやっていたことをテクノロジーにやってもらって、人が本当に注力するべきことに注力できるようにする、とういうことでしょうか。
それによって、人間性が戻ってくる。ほー。
考えてみましたが、印刷技術もそうですよね。
印刷技術がなかった時は人が手で写していたわけで、印刷技術によって人が「手で写す」という作業から解放されて、もっと新しいことに取り組めるようになった。
それと同じく、今、「講義をする、練習問題を出す、採点をする、その子の理解度にあった次の問題を出す」ということがテクノロジーでできるようになっている。
その技術を使って、先生をそういう作業から解放して、先生が子どもひとりひとりを観察して、その子の得意なことを見つけたり、その子にあった学び方を一緒に考えたり、困っていることを一緒に解決したり、そういうことに注力してもらえるといいなと思いました。
本の中で、先生と生徒の人数比についても提案がありました。
先生1人に対する生徒の人数を減らすことをがんばるより、人数比を変えないままで、先生ひとりで25人のクラスより、先生ふたりで50人のクラスにすれば、すごくいいことがあるとありました。
そうすると、先生の考えも唯一絶対のものではなく、先生によっても意見の違いや、やり方に違いがある、大人がひとつだけの正解を知っているわけではないことも伝えられる。
先生同士助け合うこともできる。
たとえば先生ふたりが違う意見を交換するロールプレイを見せられたり。
なるほどー!目からうろこでした。
カーンアカデミーやってみた
さて、カーンアカデミー、やってみよう!と探すと、日本語版もあるのですが、英語版と学べる内容が全然ちがう!
日本語版は、小学生の算数あたりとあとちょびっと、という感じです。
やるなら英語版がいいですね。
英語やらねば、というモチベーションにもなります・・・
英語版なら、幼稚園から大人まで、算数、文法、数学、科学、経済、芸術などなど、学べる内容がてんこ盛り。
プログラミングもいちから教えてくれます。
プログラミング、子どもと少しやってみました。
私まったくの初心者で、ビデオを見て、「へえー。ほおー。なるほど」と言いながらやってましたが(^^;
うまくいかないところは、「おおっと、〇〇が抜けているよ!」みたいな感じで黄緑色のキャラクターが教えてくれます。
新しいことを知るのは楽しいですね。
カーンアカデミーキッズ
そして、カーンアカデミーのアプリを入れる時に発見したのが「カーンアカデミーキッズ!」
8歳くらいまでを対象とした知育アプリです。
これがすごい。
無料でこんなに豊富で良質なコンテンツ。
英語の基礎(例えばAの音、大文字小文字、Aから始まる単語、Aの形をなぞったり)
日本の通信教材にあるような、数を数えたり、規則を見つけて並べたりとか。
あとは、英語の歌がたくさん。英語の本もたくさん。
本は、自分で読むこともできるし、音声で読んでもらうこともできる。さらに、途中で質問が入って、画面をタップしたりというアクティビティもあります。
英語の勉強にもなるし、実質的な学びにもなる。
写真もすごくきれい。
子どもは、いくつか問題をやるとアプリ上でプレゼントがもらえるのがうれしいらしく、自分から楽しんでやっています。
指示も英語で出るので、何となくでやっているところもあるみたいですが、ときどき親の助けは必要です。
私も自分のアカウントを作って子ども一緒にやってます。
ホントに無料でいいんでしょうか、という感じです。
そう、カーンアカデミー、全部無料なんです。
サルマン・カーンさんのミッションは、「質の高い教育を、無料で、世界中のすべての人に」だそう。
うーん、頼もしい。
ということで、カーンアカデミーの紹介などなどでした。
ではでは。