アサーティブ・コミュニケーションって聞いたことありますか?
以前、アサーティブ・コミュニケーションの入門講座を受けて、自分にも必要だし、子どもたちにも身につけさせたいと思いました。
今日は、アサーティブ・コミュニケーションの紹介と、うちでやってみていることを書きたいと思います。
- アサーティブ・コミュニケーションってなに?
- コミュニケーションの3つのタイプ
- 子どもにどうやって教えるか~参考にした本『断る力』
- アサーティブの4つの柱
- 全員が持っている心の権利12
- まとめ まずは子どもと一緒に声に出してよんでみよう
アサーティブ・コミュニケーションってなに?
アサーティブ(assertive)は、英語で、「はっきり自己主張する」というような意味で使われるようです。
アサーティブ・コミュニケーションは、70年ほど前にアメリカで生み出されたコミュニケーションスキルで、人種差別や女性の権利に対する運動などにおいて、どのようにして自己主張するか模索する中で確立されていったそうです。
自己主張する、と言っても、自分の意見を声高に言うということではなく。
自分にも、相手にも、それぞれの気持ちがあり、意見がある。
それを自分も言っていいし、相手も言っていい。
0か100かではなく、お互いにOKになるところを提案したり、歩み寄ったりしてくコミュニケーションを目指したものです。
コミュニケーションの3つのタイプ
私が受講した講座では、自分のコミュニケーションのタイプを確認してみましょう、ということで、ロールプレイをやりました。
*****************************************************
楽しみにしていたコンサート。友人がチケットを持ってきてくれる予定です。
コンサート会場の入口で、あなたは約束の時間の15分前から待っています。
約束の時間を過ぎても、友人は、なかなか現れない。電話にも出ない。
不安、心配…。
約束の時間から20分経って、ようやく友人が現れました。
「ごめん、待たせちゃって。」
あなたはなんと答えますか?
*****************************************************
1. 受身的(非主張的)な対応
「ううん、大丈夫。間に合ってよかった。」
35分待っていたことや、不安だったことなどを伝えない。
間に合ったのだから、今さら言わなくていいかなと抑えてしまう。
でも、心の中では、相手がもっと謝ったり、気遣ったりしてくれないなどと、もやもやや不満がたまる。
2. 攻撃的な対応
「ごめんじゃない!どれだけ待ったと思ってるの!」
自分は正しくて相手が間違っていると決めつける。
相手の事情を聞かない。認めない。
自分はすっきりするかもしれないが、相手の気持ちは?そのあと楽しく過ごせるか?
3. アサーティブネスを用いた対応
「早く着いちゃったから、かなり待ってたよ。電話にも出ないし不安だった。
何があったの?」
自分の意見や考えを率直に述べる。
相手の気持ち、事情を聞いて受け止める。
私は、1.の非主張的になりがちです。
「間に合ったから、ごちゃごちゃ言ったら楽しくなくなっちゃうかな。勝手に早く着いたのもあるしな。」という感じです。
でも、「もうちょっと申し訳なさそうにしてくれてもいいんじゃないか。」とか、思ってしまいそうです。
子どもにどうやって教えるか~参考にした本『断る力』
アサーティブ・コミュニケーションを子どもにも教えてあげたいと思いましたが、私が受けた講座のレジュメは大人向けで、子どもに説明するには少しアレンジが必要そう。
なかなか前に進みませんでした。
そんなとき、勝間和代さんの『断る力』を読んでいたら、アサーティブ・コミュニケーションのことが出てきました。
そこに出ていたアサーティブ・コミュニケーションのエッセンスの表現が分かりやすかったので、それを子どもと一緒に毎日読み上げることにしました。
アサーティブの4つの柱
「アサーティブは下記の4つの考え方が柱になっています。
- 誠実(自分の気持ちに気づいて、ごまさかないこと)
- 率直(気持ちや要求を伝えるときは、相手にきちんと伝わる形で行うこと)
- 対等(自分を卑下したり、相手を見下したりしないこと)
- 自己責任(自分の行動の結果をすべて、自分で引き受けること)」
全員が持っている心の権利12
「また、アサーティブを考えるときに、下記の12の権利を持つことを想定しています。
- 私には、日常的な役割から自立した一人の人間として自分のための優先順位を決める権利がある
- 私には、賢くて能力のある対等な人間として、敬意をもって扱われる権利がある
- 私には、自分の気持ちを言葉で表現する権利がある
- 私には、自分の意見と価値観を表明する権利がある
-
私には、「イエス」「ノー」を自分で決めて言う権利がある
- 私には、間違う権利がある
- 私には、考えや気持ちを変える権利がある
- 私には、「分かりません」と言う権利がある
- 私には、欲しいものを欲しい、したいことをしたいと言う権利がある
- 私には、人の悩みの種を自分の責任にしなくてもよい権利がある
- 私には、周囲の人から認められることに頼ることなく、人と接する権利がある
- 私には、アサーティブでない自分を選択する権利がある
(出所:特定非営利活動法人アサーティブジャパン)
こうやって要件を具体化していくと、アサーティブの真の意味が分かってくると思います。
アサーティブのポイントは、自分も、相手も、大事にすることなのです。
私はアサーティブを「気持ちのよい自己主張」と捉えています。」
子どもには難しい言葉もありますが、とりあえず、4つの柱と12の権利をコピーして、フリガナをふって、主に長女と一緒に毎日声に出して読むことにしました。
最初は、ただただ一緒に読むだけでしたが、だんだん、「卑下ってなに?」とか、「価値観ってなに?」とか聞いてくるようになりました。
「先生はえらくて、子どもはえらくないとか思わなくていいんだよ。」とか、「これは好き、これは嫌いとか、これは大事、これはいらんとか自分で決めていいんだよ。」などと説明しています。
子どもと一緒に読むことで、こちらも改めて気をつけなきゃと思うところも。
子どもの声で、
「私には、賢くて能力のある対等な人間として、敬意をもって扱われる権利がある。」
とか
「私には、間違う権利がある。」
と言っているのを聞くと、
「そうだよな。子どもだからって下に見ないように気をつけよう。」
「子どもが間違わないよう間違わないようにと先回りしちゃだめだな。」
と思ったりします。
まとめ まずは子どもと一緒に声に出してよんでみよう
HSP、HSCの人は、周囲の雰囲気を読んで、自分の意見は引っ込めてしまうことがあるんじゃないかと思います。
それでも、毎日、「自分にはこういう権利がある。」と口に出すことで、少しでも自分の思いを言えることが増えてくればいいなと思っています。
うちでは、だいたいお風呂上りに子どもの髪を乾かしながら、一緒に読んでいます。
一度、やってみてはいかがでしょうか。
お読みいただきありがとうございました!