あまり知られていないアレルギーかもしれませんが、私は温熱アレルギーをもっています。
こんなのもあるんだよ、ということで、今日はそれを書いてみたいと思います。
温熱アレルギー、こんな感じ
温泉が好きなのですが、熱めのお湯だと、お湯に浸かっていたところから、くっきりと線をひいたように赤くなり、ものすごくかゆくなります。
かゆみだけの時もあれば、軽いアナフィラキシー症状というのでしょうか、心拍数が上がり、心臓がバクバクして、しばらく安静にする必要があります。
家のお風呂でも、少し熱めにしてしまうと、かゆかゆになって、焦って上がって横になります。
いちばんひどかったのは、20代のころ、ジムに行ってジャグジーに入ったとき。
当時は温熱アレルギーという認識がなくて、気持ちよくジャグジーに入って出たあと、お湯に浸かっていた首から下が猛烈にかゆくなり、シャワーブースに入ったあと、立っていられなくなってしゃがみこみ、意識を失いかけたことがあります。
意識がもうろうとした状態でじっとしていると、幸い、ショック症状?はおさまって、自力で家に帰れたのですが。
お湯に浸かっていた部分だけ赤くなりかゆくなったので、これはジャグジーのお湯のせいか、と気づきました。
お風呂関係のほかにも、最近では、テイクアウトの料理を車の助手席で座った脚の上に置いて家に向かう途中、これはやばいという予感が。
案の定、料理を置いていた太ももが真っ赤になって、かゆかゆに。
日光を長時間浴びることでかゆくなることもあります。
ネットで調べると、温熱じんましんというのがヒットしました。
おそらく私はこれではないかと。
温熱アレルギー対処法
皮膚科に行ったこともあるのですが、「熱いものを避けるしかないね」と言われてしまい、根本的な治療というのは今のところできていません。
明らかに熱いときは避けられるのですが、これくらいなら大丈夫だろう、というときも出たりして、なかなか難しいです。
漢方薬で「体の熱を出す効果がある」というものを数か月飲んだことがありますが、効果がよく分からず、続けるのが大変でやめてしまいました。
経験上分かったことで、赤く熱をもってかゆくなるので、早く冷やした方がいいだろうと氷や冷たいタオルで冷やしたことがありますが、私の場合、逆効果でした。
温度差に反応するのか、逆にかゆみが増すことに。
今のところ、ヒリヒリとかゆくなったところを穏やかにするため、ワセリンや刺激の少ない乳液などで保護しつつ、ゆっくりと冷ますようにしています。
そもそも、アレルギーってなに?
最近アレルギーのことをよく考えているので、本を読みました。
『アレルギーはなぜ起こるか ヒトを傷つける過剰な免疫反応のしくみ』
著者:斎藤博久
著者は、医学博士で、アレルギー研究のプロ。
今まで「アレルギー」ってなんとなく使っていましたが、アレルギー症状が起こるとき、体の中でどんなことが起こるのか、丁寧に説明してくれます。
本によると、
免疫反応:細菌やウイルスのような危険な異物が身体に入ってきたときに、それを撃退するしくみ
アレルギー反応:危険でない異物が体内に侵入したにもかかわらず、誤って免疫反応が働き、体が不要な反応をしてしまうこと
感染やアレルギーでは、異物が侵入した皮膚や粘膜などの組織で炎症がおこります。
炎症とは、血液などに存在する好中球や好酸球などの炎症細胞が組織にやってきて、侵入者を退治するために酵素などをまき散らす反応です。
ということです。
温熱アレルギーの場合、危険な熱さではないのに、免疫反応が誤作動して、熱さにふれた場所に免疫細胞がやってきて、炎症が起きる(赤くなったりかゆくなったり)ということのようです。
好中球や好酸球というのは白血球の一種で、普段は血管内にあり、炎症性サイトカイン(炎症を促すたんぱく質)の刺激によって血管から血管外の組織に出ていき、侵入物を攻撃する。
よくできていますよね。
免疫の誤作動というのがくせもののようです。
また、本の中に、アレルギー疾患の定義が載っていました。
WHOと連携している世界アレルギー機構によれば、アレルギー疾患とは、
「過敏症のうち免疫反応が関係するもの」
と定義されています。
なお、過敏症は、
「健常被験者には耐えられる一定量の刺激への曝露により、客観的に再現可能な症状または兆候を引き起こす疾患をいう」
と定義されています。
過敏症の説明を理解するのが難しいですが💦、アレルギーは過敏症の一形態で、免疫反応が関係するもの、ということなんですね。
アレルギーでない過敏症として、本では、シックハウス症候群の例が挙げられていました。
ただ、アレルギーや過敏症に関する言葉は、統一されないまま医学用語や一般用語として使用されることが多く、医学用語であっても、国や診療科によって別の定義になっている場合があり、誤解を招くことがあるので注意が必要、とも書かれていました。
まとめ
本では、アレルギー体質、アレルギー反応、アレルギー疾患ということの関係を説明してくれていて、とても興味深かったです。
アレルギー体質でなくてもアレルギー反応が起きることはある。
また、アレルギー体質であってもアレルギー疾患にならないようにすることができるとも書かれていました。
喘息の人では、慢性的な炎症
(普段は血液中にいる白血球が組織に浸み出して、酵素をまき散らし、侵入した微生物やアレルゲンなどの異物のみならず、自分の組織をも破壊している状態のこと)
の結果、気道の粘膜が傷つき、知覚神経がむき出しになっています。
気道はヒスタミンを含むさまざまな刺激に対して過敏になっています。
早め早めに炎症を抑え、気道や皮膚などの組織を過敏にしなければ、アレルギー体質をもっていてもアレルギー疾患にならないようにすることはできます。
「HSP・HSCであっても、刺激に対して防御したり、ダウンタイムをとったり、と対処することで、穏やかに過ごすことができる」という考えに通じるところがあるなーと思いました。
お読みいただきありがとうございました(*^^*)